基幹科目

 

 

公共経済学T                                                     教  授  田中 廣滋

公共経済学の基礎理論が公共経済学TとUに分けて、体系的に解説される。Tの内容は以下のとおりである。社会的厚生の概念を説明した後で、その概念が具体的に表される指標を紹介する。社会的な厚生の概念を用いて、公正と不平等の評価法を解説する。市場機構の効率性を理解する上で重要な厚生経済学の基本定理を説明してから、市場の失敗へ議論を進める。特に、不確実性と外部性が市場機構に及ぼす効果の分析手法が説明される。

Myles, G. D. Public Economics, Cambridge University Press. 1995をベースとして講義を進めます。

e−ラーニングで実施します。

ファイルで提示します。

 

公共経済学U                                                     教  授  田中 廣滋

公共経済学Uでは、Tに続けて、公共経済学の基礎理論が解説される。Uの内容は以下のとおりである。まず、公共財の理論が、最適供給の理論、地方公共財の理論、民間部門による社会資本の整備などが論じられる。次に、最適課税の理論が解説されるが、その主な内容は、所得課税と間接税に分けられる。また、規制と規制緩和の理論分析、重複世代間モデルを用いた社会保障の厚生分析と政策修正に関する議論も紹介する。

Myles, G. D. Public Economics, Cambridge University Press, 1995をベースとして講義を進めます。

e−ラーニングで実施します。

ファイルで提示します。

 

公共政策T                                                       教  授  薮田 雅弘

公共政策の基礎的分野の理論的な検討を加える。とくに、市場と経済厚生をめぐる問題、市場の失敗をめぐる諸問題について講義を行った上で、環境政策に関る理論的、実証的分析を行う。環境問題とその基本的な政策体系について、とくに環境規制や経済的諸手段に論点を絞り、最近のテキストならびに関連する論文をサーベイしながら検討を行う。

薮田雅弘『コモンプールの公共政策』新評論、2004年5月刊(予定)

 

公共政策U                                                       教  授  薮田 雅弘

環境問題の一つのアプローチであるコモンプール財の管理・運営に関する理論的研究と制度的装置を地域主義的観点から検討する。非排除可能で競合性をもつコモンプール財の特性に焦点をあて、その自然環境との関りや管理・運営方法をめぐる制度的在り方を論じる。環境問題の基本モデルを講じた上で、地域環境財への応用可能性を論じ、コモンプールの管理・運営に関る地域ネットワークの形成へ向けた理論的・実証的分析を行なう。

薮田雅弘『コモンプールの公共政策』新評論、2004年5月刊(予定)

 

経済政策T                                                       教  授  栗林  世

市場経済を中心とした混合経済では、市場経済を補完する政府の役割が重要である。本講義では、まず何故政府が必要かをミクロ経済学の視点から検討する。次ぎに、マクロの経済政策の方法論をみる。マクロ経済政策は、定量的経済政策と定性的経済政策に大別される。主として計量経済モデルを用いた定量的経済政策の方法論について原典を読みながら検討する。固定目的および最適政策それぞれについて述べる。

 

経済政策U                                                       教  授   栗林  世

マクロ経済政策としての財政政策および金融政策が有効であるかどうかが議論されている。本講義では、開放経済体系において財政・金融政策がどのような条件下で有効であるかをマクロ経済モデルを用いて理論的に検討する。特に、労働市場における賃金の硬直性に注目する。労働市場の賃金硬直性を説明する各種の理論について比較し、現実経済との関連性について討議する。

 

財政学T                                                       教  授 篠原 正博

財政学では、政府の関与する経済問題がすべてその研究対象となり、理論、制度、歴史、国際比較などの多岐にわたるアプローチからの分析が可能です。しかし、制度、歴史、国際比較の視点から分析を行うにしても、基礎的な財政理論の知識が不可欠です。そこで本講義では、専門誌の論文を読みこなせるために必要な基礎理論の修得を目的とします。特定の教科書を選択し、それを輪読する形式で講義を進めたいと考えています。

[テキスト]受講生と相談のうえ、決定します。

 

財政学U                                                        教  授 篠原 正博

演習Tと同様、財政学の基礎理論を扱います。演習Tと演習Uを併せて体系的な学習が可能となります。

受講生と相談のうえ、決定します。

 

ネットワーク経済論T                                              教  授   谷口 洋志

ネットワーク経済論Tでは、デジタル経済(情報経済)のマクロ経済的側面を取り上げます。いわゆるICT(情報通信技術)を中心に、経済におけるICT産業のマクロ的役割、IT(情報技術)のアクセスと利用動向、ICT政策を取り上げます。

●OECD,Measuring the Information Economy, OECD, 2002.
●Sanford V. Berg et al., ed., Private Initiatives in Infrastructure, Edward Elgar, 2002,
 Part One.

 

ネットワーク経済論U                                              教  授   谷口 洋志

ネットワーク経済論Uでは、デジタル経済(情報経済)のミクロの経済的側面を取り上げます。この分野の研究で中心となっている経済学者Varianの著作を中心に、この分野を理解するための基礎的なコンセプトの理解を目指します。

●長谷川啓之・谷口洋志・安藤潤『IT革命時代の経済と政府』文眞堂、2002年、第2部。
●谷口洋志「ネットワーク効果と経済政策」『中央大学経済研究所年報』No.34, 2004年3月。
●H.R.Varian, Intermediate Microeconomics: Modern Approach,6th ed.,W.W.Norton,2003,chs.24,24 & 34.("Monopoly Behavior,""Monopoly Behavior,"and "Information Technology.")
●Stanley S. Liebowitz & Stephen E. Margolis, Winners, Losers & Microsoft, 2nd ed., Paul &
 Co., 2001.

 

地域政策論T                                                     教  授   金田 昌司

地域政策について以下の8点について講義する。履修者数は例年多くないので、出来るだけデスカッションを心掛けたい。

1.国土・地域づくりの役割

2.トータル・コンセプトとしてのまちづくり

3.地域政策の課題と地域産業政策の方向づけ

4.地域形成力としての交流・連携・協働

5.第3セクターの見直しと政策形成

6.外郭団体の見直しと活性化への政策形成

7.中心市街地活性化への政策形成

8.少子化社会と地域政策

金田昌司『地域再生と国際化への政策形成−より良い生活空間づくりへの途−』中央大学出版部、2003年。
第3セクター研究学会編『地域経営の革新と創造』透土社/丸善、2000年。

 

地域政策論U                                                     教  授   大須 眞治

WTOの下で新しく実施されている農業政策について、共通農業政策などと関連させ、それが農業生産や農村生活にどのように影響を与えるものかについて検討します。

 

環境経済学T                                                     教  授   田中 廣滋

環境経済学の分野において、主としてミクロ経済学的な分析手法を適用することが有効な分野が解説される。特に、直接規制、課税や補助金などの経済的な政策手段の役割が、インセンティブ規制手段も含めて、解説される。また、地球環境問題解決のために有効な政策手段が解説される。特に、排出権市場の役割や地球規模での温室効果ガス削減が進展するための税制や経済援助策を含めた、国際的な協力体制の構築の方策が論じられる。e−ランニングで講義を行う予定。

ファイルで提示します。

 

環境経済学U                                                     教  授  薮田 雅弘

環境経済学に関する理論分野を、90年代以降に出版された主要な環境経済学テキストを用いて概説する。その際、環境問題に対する制度資本などのストック(社会的共通資本)の関りに注意を払いながら、環境問題に対峙する経済的手法―税や汚染権取引など―について様々な検討を加える。また、最近のマクロ環境経済学的なアプローチを敷衍して、成長モデルの枠内で、「持続可能な成長」についての論点を検討する。

具体的には、経済学による環境問題への接近/経済効率性と市場および環境問題/環境の便益と費用の把握/環境問題に対する規制的アプローチ/環境問題に対する経済的インセンティブアプローチ/持続可能性と環境問題の把握/再生不可能資源と再生可能資源の経済分析続/森林保全と環境問題/水環境と環境問題を考える/生物多様性の保持を考える。/地域開発と環境問題、等の各テーマで論点を分析する。

 

社会政策T                                                       教  授   佐藤  清

企業内労使関係の生態的研究の国際比較を中心に講義内容を計画している。フランスと日本との比較を考える際の論点は、企業内労使関係において、どの程度まで労働組合以外のファクターを考慮に入れるべきかどうかということである。労使関係の二重構造が従前から指摘されているフランスの企業委員会の役割とその権限について考察することによって、日本における企業別組合が担ってきた組合としての機能とその限界について考えるヒントが得られるであろう。講義の中心は労使関係の日仏比較ということに置かれる。

 

社会政策U                                                       教  授   佐藤  清

社会政策Tをふまえた講義内容を考えることになる。社会政策Tでは、その研究の中心を日仏比較に限定して検討するが、社会政策Uではその範囲を広げて受講院生の問題意識と研究関心にまで及ぶ内容にする。現在の射程は、日仏に加えてアジア、アメリカにおける労働問題までを考えることにする。とくに、アジアの労働問題は直接、日本の海外企業進出との関係からも大きな研究課題になっているからでもある。アジア圏からの大学院留学生が多いことからも、必須の課題であると考えてきたことである。

 

交通政策論T                                                      教  授 塩見 英治

交通経済に関わる理論的基礎と応用を習得し、現実の政策・対策について議論をすすめる。

開講時に指示する。

 

交通政策論U                                                      教  授 塩見 英治

国際交通経済と航空経済に関わる理論的基礎と応用を習得し、現実の政策・対策について議論をすすめる。

開講時に指示する。

 

中小企業論T                                                      教  授 八幡 一秀

中小企業論は「玄人」うけする応用経済学といわれています。それは研究対象が中小企業ということだけが共通で、様々な学問分野からのアプローチが可能である所以でしょう。この講義は大学院修士課程の中小企業論入門編となります。前期は基礎理論をテキストの輪読を通じて学習し、後期のステップアップにつなげます。

渡辺幸男編著『21世紀中小企業論』有斐閣

 

中小企業論U                                                      教  授 八幡 一秀

前期の中小企業論Tのステップ・アップとして、日本と海外の中小企業政策を国際比較を輪読により学習していきます。中小企業の捉え方や政策理念の違いなどが理解できればよいでしょう。

福島久一編『中小企業政策の国際比較』新評論

 

 

 

演習科目

 

 

演習T(公共経済学)                                              教  授   田中 廣滋

公共経済学を構成する理論的な分析用具を実際的な問題へ適応することによって、公共経済に関する理解が確実になることが主たる目標となる。特に、公共財の理論、費用便益分析、環境問題を解決するためのインセンティブ機構の構築、世代間の負担の公平を達成する課税方法などが演習問題として設定される。受講者はこれらの問題からいくつかの課題を選択して、解答する上での基本的な分析方法の修得を目指す。受講者の自らのテーマに関する研究報告が中心となる。

ファイルで提示します。

 

演習U(公共経済学)                                              教  授   田中 廣滋

論文作成のための技術的な手法の向上が主たる目標である。計測を論文の作成の主要な目標とする場合には、多変数の解析の手法に加えて、公共経済学の分析において重要となる厚生や不平等などの社会的な分析の指標や潜在価値を中心としたミクロ的な指標の作成あるいは開発の仕方を指導する。この演習を通じて開発あるいは改良された分析手法をこの演習を修了した後にも繰り返し適応して、その手法に習熟するように指導を行う。

ファイルで提示します。

 

演習T(公共政策)                                               教  授   薮田 雅弘

人々の構成する社会とその維持機構としての管理・運営システムに関連して、経済的効率性と公平性の達成メカニズムがどのように設計され、遂行されているかに焦点をあてる。「私」や「公」のほかに「共」という概念を取り込みながら、公共政策の基礎理論と併せて、本質的課題を検討していく。本講の前半部分では、公共政策の基礎的な理論書の講読を行ない、後半では、環境問題の理論分析を行なっている静学的モデル分析を行なう。

薮田雅弘『コモンプールの公共政策』新評論、平成16年5月刊行予定。

 

演習U(公共政策)                                               教  授   薮田 雅弘

環境問題と成長や失業といったマクロ経済変数との関りに焦点を当てて、主に、動学的(内生的成長)モデルの枠内での文献講読を行なう。動学モデルは、成長や環境分野で多用されているが、その体系化、標準化と応用可能性を探り、例えば、環境問題解決へ向けた様々なアプローチの方法を講じる。内生的成長モデル、環境や雇用あるいは成長政策といった動学分析を中心として論文サーベイを行ない、修士論文作成の助けとしたい。

薮田雅弘『コモンプールの公共政策』新評論、平成16年5月刊行予定。

 

演習T(経済政策)                                               教  授   栗林  世

国際通貨制度に関しては、トリレンマと言われているように、各国の経済政策の独立性(国家主義)、為替レートの安定性(安定性)及び資本移動の自由(流動性)の三者を同時に満足させる制度は存在しない。そのために、これらを満足させるためには、経済政策の国際協調が必要となる。現実にも、G8において国際協調が模索されている。本演習では関連文献を検討・討議し、それぞれのテーマを選定しレポートを提出する。

 

演習U(経済政策)                                               教  授   栗林  世

ケインズ経済学に対する新古典派の批判は、ケインズ経済学がミクロ経済学の基礎付けに欠けているということであった。これに対してケインズ経済学にミクロ経済的基礎付けが試みられてきた。それらは、「新しいケインズ経済学」あるいは「新しいマクロ経済学」と呼ばれている。本演習では、新しいケインズ経済学に関する代表的文献を検討・討議し、それぞれのテーマ選定しレポートを提出する。

 

演習T(経済政策)                                               教  授   中野  守

テーマは『地方分権と経済政策』である。地方分権と地方財政システムを厚生経済学及び公共経済学の観点から理

論的に分析する。

中央政府と地方政府の関係を資源配分の観点から分析することによって望ましい地方税制度や補助金制度、中央政府の介入と地方政府への財源・権限の委譲、市町村合併などを扱うことが可能となる。このような諸問題のモデル作成(地方分権のモデル作成)を探究することを追求する。

 

演習U(経済政策)                                               教  授  中野  守

上記演習テーマ『地方分権と経済政策』で取り上げた地方分権の政策シミュレーションを作成することを課題とする。公共経済学や都市経済学の成果をベースにした地方分権モデルを用いて政策効果を数量的に測定する研究へと高めて行くことを探求する。

 

演習T・U(グローバル・ガバナンス論)                           教  授     内田 孟男

演習では最初に、国際関係論の新しい潮流としてのグローバル・ガバナンス論について考察する。次いで「国際公共政策」T・Uで論じられた地球規模の諸問題のなかから、履修者が、ある問題(例えば地球環境と開発)を特定し、その解決に当たるアクターについて調査研究し、報告・討論する。学際的アプローチが求められる。

演習T(現代行政論)                                           教  授   佐々木 信夫

現代行政といった場合、国家の官僚制、中央地方関係、公務員制度、行政統制・責任、行財政システムの改革など多くの論点が含まれる。身近な地方自治でも、政策決定のあり方、議会システム、年功型人事、情報公開、市民参加・統制、市町村合併など広範な論点が存在する。1年次の演習の性格上、これらから受講生の関心領域をいくつかに取り上げ、修士論文作成の準備も兼ねてそれぞれの論点をめぐり理論的、実証的に考察を深めてみたい。

演習生と相談し決定したい。

 

演習U(現代行政論)                                           教  授   佐々木 信夫

修士論文の作成を前提とした課題設定により、各受講生の関心テーマに沿って文献講読、資料収集、調査分析、論文構想、論文作成などについて演習を行い、それぞれ指導を行う。この際も、教授対院生という指導関係だけでなく、院生各自のもつ経験や意見を大いに出し合い、相互に高め合うことでそれぞれの論文がレベルアップするよう求めたい。

年度の初めに、各受講生の意見を聞いたうえで決定したい。

 

演習T(財政学)                                                 教  授   関野 満夫

財政学の伝統的体系を基盤にした財政理論を確実に修得すると同時に、現在財政の諸問題に対応した新しい財政理論や財政学の今日的課題についても検討を進める。特に後者については、国際化・高齢化・分権化時代の財政・租税政策、財政赤字と公債負担問題、環境政策と財政、などの課題がある。

 

演習U(財政学)                                                 教  授   関野 満夫

日本財政の歴史的推移、基本構造、国際比較をふまえた上で、現代日本財政が直面する諸課題について検討する。特に、社会保障財政、租税改革、財政赤字問題、財政投融資と特殊法人、地方分権型財政、公共事業財政などの検討が課題となる。

 

演習T・U(財政学)                                             教  授 篠原 正博

わが国の直面する財政問題のうち、特に「税制改革」に焦点を当てます。将来のわが国の税制のあり方を、国際比較の視点も含めて幅広く議論を行うこととします。

本年は以下のようなテキストを考えています。
橋本徹編著『地方税の理論と課題(改訂版)』税務経理協会、2001年。
Zodrow, G.R and Mieszkowski (ed), United States Tax Reform in the 21st Century, Cambridge, 2002.

 

演習T(インターネット経済論)                                    教  授   谷口 洋志

インターネットをビジネスに活用する目的ないし意義として、よく取引費用の削減が言われています。しかし、取引費用の理解は、各人によって微妙に異なっているのが現実です。この演習では、ネットワーク経済を理解する上で鍵となる「取引費用」経済学の文献を取り上げ、取引費用の理解に努めたいと思います。

●R.H.コース『企業・市場・法』東洋経済新報社、1992年。
●C.メナード編『取引費用経済学』文眞堂、2002年。

 

演習U(インターネット経済論)                                    教  授   谷口 洋志

この演習では、デジタル経済の経済政策課題として、特にデジタル・デバイド問題を取り上げます。先進国の事例としてアメリカの実態を、途上国の事例としてタイの実態を取り上げていきたいと思います。

 

演習T(経済立地論)                                              教  授   石川 利治

経済立地論において基本的な分析手法および理論を体系的に検討していきます。

石川利治『空間経済学の基礎理論』中央大学出版部、2003年

 

演習U(経済立地論)                                              教  授   石川 利治

経済立地論の分析手法と理論を用いて、市場総合が経済の立地にどのように作用するかを考察していきます。

B.Dluhosch,Industrial Location and Economic Integration,Edward Elgar Publishing,Glos,2000.

 

演習T・U(地域政策論)                                          教  授 金田 昌司

ドイツにおける空間整備政策について独文テキストを使用して授業を行います。したがってドイツ語初級文法を修了していることが前提です。

Bundesamt für Bauwesen und Raumordnung, Raumordnungsbericht 2000 Bonn, 2000.
入手方法は指示します。

 

演習T(地域政策論)                                              教  授   大須 眞治

農村地域における就業動向の最近の変化について、実証的な研究をめざして研究していきます。これまで農村地域の労働力は農外に流出していく動きが中心がありましたが、その傾向に最近変化があらわれてきています。流出一方であった動きが少し変わり、わずかではありますが、農業への還流の動きが出てきています。この状況を主に統計的な分析によって検討していきたいと思います。

 

演習U(地域政策論)                                              教  授   大須 眞治

演習Tで検討した農村労働力の最近の還流現象について、長野県伊那市の農村実態調査により検証していきたいと思います。最近この地域では、農村への移住を望む人々に対して、農業インターン制度を実施し、その定着を図る事業を行っています。この事業に応じる人々の実態とその制度の果たしている役割、農業生産の担い手になっていける可能性などについて、個別聴き取り調査をしながら、実態の分析を行っていきます。実態調査の実施は、受講者の都合等に合わせて実施していくつもりです。

 

演習T(社会政策)                                               教  授  佐藤  清

労働問題の国際比較をテーマとして設定している。演習Tでは労使関係における日本ならびにヨーロッパの現状把握に力を入れることになる。「日本労働研究機構雑誌」と「European Industrials Relations Review」に掲載される論文と関連記事をてがかりに最新の日欧労使関係の現状を知ることに努める。

院生の英語力にもよるが「European Industrials Relations Review」については、月に1論文を読むことを目標にしている。

 

演習U(社会政策)                                               教  授佐藤  清

演習Uでは演習Tをふまえて労働問題の国際比較研究をいっそう発展深化させる。院生各自の問題意識を最大限配慮しながら演習論文作成につなげる。演習Uにおける講義の柱は企業内労使関係の国際比較という点に置かれる。例えば、日本における企業別組合のエートスとヨーロッパ企業におけるそれとの比較が大きな課題となる。具体的にはフランスにおける労働組合の組織率低下はなぜ大きな問題とならないのか。組合費チェック・オフ制がいま日本で議論になろうとしているとき、この問題の比較検討は大きな意味をもつ。

 

演習T・U(交通政策論)                                          教  授 塩見 英治

交通経済と交通政策に関する代表的文献をとりあげ、研究の方法を習得する。論文執筆と研究報告が十分に出来るよう指導を行なう。理論分析と実証分析と政策論議を組み合わせて研究指導を行なう。

開講時に指示する。基本的に学会誌、International Journal掲載の学術論文等を参照する。

 

演習T・U(中小企業論)                                            教  授 八幡 一秀

中小企業論は「玄人」うけする応用経済学といわれています。それは研究対象が中小企業ということだけが共通で、様々な学問分野からのアプローチが可能である所以でしょう。演習では、履修者が中小企業に関わる修士論文を完成させるための指導を行います。

渡辺幸男編著『21世紀中小企業論』有斐閣
福島久一編『中小企業政策の国際比較』新評論

 

プロジェクト演習                              教 授 佐々木 信夫  客員教授 高木 祥勝

地方分権の進む中で、地方財政のあり方は、我が国の今後を左右する大きな課題となっている。

本演習では、地方財政の抱える様々な問題について、地方分権推進の立場から歳入面について分析、検討する。まず地方財政全般の制度、運営の実態を学んだうえで、地方税、地方交付税、国庫補助金、地方債等の主要な財源について、それらの意義、問題点を考えていく。必要に応じ、税法の基礎理論、実務面の諸問題などについても解説する。国と地方の財源配分、財政調整については重点的に検討したい。

なお、いわゆる三位一体の改革や自治体の新税創設、ニューパブリックマネジメントなど地方財政をめぐる改革の動きについては引き続きフォローアップしていくほか、諸外国の税財政の動向等についても学んでいきたい。地方財政を初めて学ぶ方にも理解できるようにする。

官公庁発表資料等のコピーを必要に応じて配付する。

 

プロジェクト演習                              教 授 谷口 洋志   客員教授  高谷 哲

今日の情報通信産業は、コンピュータとネットワークが結合し、即時・双方向・オープンの各種アプリケーションが急速に発展し、ネットワーク経済の新分野を形成しつつあります。

具体的には、先進化した各種要素(IC、IP、無線、光、衛星、高速ネットワーク、コンテンツ、ビジネスモデル、アプリケーション、端末機器、セキュリティ、等)と、それらの有機的組織的結合(事業部制、垂直統合、水平統合、M&A、提携、グループ経営、標準化コンソーシアム、等)とが二者相俟ってシナジー効果を生じ、商品・サービス(携帯端末、EC、映像配信、行政サービス、等)のダイナミックな経済社会的成果を発揮していると言えます。

その認識から、当プロジェクト演習では、ネットワーク経済の内、情報通信の実態面を次の切口から扱うこととします。

1.情報産業の主要要素から特に次の3点を取り上げます。

(1) 通信インフラ産業の変革

(2) ビジネスモデルの意義と対応

(3) ICカードの経済社会的影響と可能性

2.有機的組織的結合の視点から、次の2点を取り上げます。

(1) 通信事業者、メーカー等主要企業の事業形態戦略

(2) 国際機関、準国際機関の今日的役割

『情報通信白書』(総務省編)
『情報通信ハンドブック』(情報通信総合研究所編)
『インターネット白書』
『インターネットビジネス白書』
その他文献等は、演習で御知らせします。

 

 

発展科目

 

 

公共部門の経済分析                                               教授(商)     御船 洋

政府が運営する諸制度や政府が提供するさまざまなサービスがもたらす国民の受益と負担について考察します。具体的には、租税制度と社会保障制度を中心に取り上げ、両者の相互関係を強く意識しながら国民の受益と負担の関係を、財政学あるいは公共経済学的視点に立って包括的に検討します。各制度の仕組み・現状の概観、問題点の摘出、理論・実証分析の動向、受益と負担の計測、今後の政策対応等について議論していきたいと考えています。

 

費用便益分析                                                     教  授   田中 廣滋

余剰概念の基礎理論が解説された後で、潜在価格と政策への適応例が紹介される。異時点間の意思決定の問題への費用便益問題の適応が論じられる。特に、社会的な割引率の概念、資本の収益率の概念とその測定法が説明される。費用効果分析分析法が、費用便益分析との対比において論じられる。危険の評価の方法が紹介される。特に、環境経済学の一部を構成する費用便益の分析方法が論評される。e-ラーニングの形で提供する。

ファイルで提示します。

 

政策設計論                                                       兼任講師   渋川 智明

1998年12月に特定非営利活動法人法(NPO法)が施行されました。05年1月現在、都道府県から認証されたNPO法人は1万団体に迫り、行政、企業に次ぐ社会の第3のセクターとして定着しつつあります。活動は国際交流、保険福祉など12分野でしたが、NPO法改正により、05年から、科学技術などの分野を加えました。中でも少子高齢社会を反映して、保険福祉の団体が6割を超えています。福祉NPOといわれる団体です。

00年4月に公的介護保険事業がスタートしました。NPO法人が都道府県の指定を受ければ、社会福祉法人、民間企業と並んで事業者に参入し、介護報酬を受給できます。主にホームヘルパーを派遣して訪問介護を行う事業者が多く、その重要な部分をになっています。生協やボランティア活動から発展した団体が多いので、地域に密着した活動が可能です。民間企業のように営利だけを目的としていないので、介護保険給付を受けられないサービス、つまり話し相手になったり、病院に付き添ったりというワク外サービスもできます。そこが利用者の支持を受け、NPO法人だけでなく、農協、生協などを加えた非営利団体は、全訪問介護事業者の1割に迫る存在感を示しています。

そこで少子高齢社会におけるNPO活動、とりわけ介護保険事業に参入しているNPO法人の活動や、運営しているリーダーたちの実践を通してNPOマネジメント、活動の意義、地域経済・雇用面での位置づけ、など次のような項目を履修の目標にします。

・福祉NPOと介護保険

・福祉における契約社会

・介護保険事業者、福祉NPOのケーススタディ

・介護保険の現状と、05年改正点、将来の課題

・行政とのパートナーシップ、地方分権における住民参加型社会

・アメリカ、イギリス、フィンランドなどとの比較

NPO法改正、税制支援、非営利法人改革の現況

NPOマネジメント、後継者育成、実践的運営論

21世紀社会におけるNPOの地域経済への影響、位置づけを地域通貨、ネットワーク論などから考える。

渋川智明『福祉NPO〜地域を支える市民起業』岩波新書、2001年。

渋川智明『介護保険活用ガイド』保健同人社、2000年。

共著『英国の地方分権改革〜ブレア挑戦』日本評論社、2000年。

 

政策評価論                                                       兼任講師   吉川 富夫

政策評価(あるいは行政評価)は、過去10年余の経験をふまえて新しい段階を迎えつつあります。それは戦略計画――業績測定を媒介項として政治的・政策的意思決定過程が機能するかどうかという問題です。

本コースでは、戦略計画――業績測定の理論を学とともにそれをガバナンス構造の中でとらえます。ついでアメリカ各州の戦略計画、日本の自治体の戦略計画、市民イニシアティブの戦略計画などを検討します。

 

行政システム論T                                                  教  授 佐々木 信夫

Tでは主に行政理論及び国家行政のシステム全般について考察する。すなわち官僚制、公務員制度、中央地方関係、地方自治、政策過程、税財政システム、行政責任・統制などがテーマとなろう。これまで通説とされてきた行政学のいくつかの理論を紹介し、それを実務の視点や現実社会に生起している諸問題との関連で検証し、理論上、あるいは運用上、行政システムのどこに問題があるのかを明らかにし、改革の方向についても議論したい。

佐々木信夫『現代行政学』(学陽書房、2000年)
同  上 『市町村合併』(ちくま新書、2002年)
同  上 『地方は変われるか―ポスト市町村合併』(ちくま新書、2004年) ほか

 

行政システム論U                                                   教  授 佐々木 信夫

Uでは主に地方自治について考察したい。すなわち地方自治の歴史、その本質、諸外国の類型、市町村合併、わが国の自治制度、議会制度、地方公務員制度、税財政システム、市民参加、市民統制・責任、・Aカウンタビリティなどが対象となろう。こうした作業を通じ、わが国に本当に地方自治は存在するのか、もし存在するとすればそれは何を指すか、存在しないとすればそれはなぜかを自問自答しながら研究を深めてみたい。

佐々木信夫『東京都政』(岩波新書、2003)
同  上 『自治体の改革設計』(ぎょうせい、2002)
同  上 『自治体の公共政策入門』(ぎょうせい、2000) ほか

 

行政組織論                                                  兼任講師 伊藤 章雄

本講義では国と自治体の組織を研究します。企業等の民間組織と異なり行政組織には特別な「凄み」があります。パワーの根源が、強制力をもった「権力」だからです。ふだん国民は納税者、国家主権の主人の立場で行政組織を軽く考えがちですが、一定の条件が整えば有無を言わさず国民を支配し、拘束してくるのが行政権力なのです。限りなくやさしく、限りなく怖いという二つの顔を持っているわけです。国民は行政組織の設計、公共政策や権力構造のありようによってある時代には幸せに、あるいは不幸せに暮らしてきたのです。また、行政組織は国益や公益の配分の場でもあり、権謀術数の絡んだ闘争の生々しい歴史的現場でもあります。身近な例を通して胸の熱くなる議論をしたいと思います。

 なお、都市論の観点からも組織の考察を行います。知識や技術を持っていても私たちは生物として生きていけない。血となり肉となる米や野菜や魚等がいるのです。だが、都市には田畑も山も海もない。その代わりに発明されたのが生産効率の高い組織であり組織共同体ではないかと考えます。つまり、組織は都市人の食うための農場なのです。

授業の中で指定する。

 

国際公共政策T・U                                                  教  授 内田 孟男

グローバル化は近年ますます加速され、平和と安全保障、開発、環境、人口といった地球規模の諸問題の解決がより緊急性を帯びてきている。国際公共政策は、所得格差の増大、環境の悪化そして頻発する紛争といった問題の解決に寄与し、「地球公共財」を提供し、発展させることを目的とする。本講座では、国際公共政策の中心的担い手である国連システムをはじめ、地域組織、市民社会、NGOs、そして企業をも視野に入れた考察をする。

国際公共政策と公共財について検証した後に、国際機構の歴史的発展、国連の活動、その制約状況を分析し、多様なアクターとのパートナーシップ構築への努力について論じる。

教科書は特に指定しないが、授業のはじめに参考文献を紹介し指定する。国連の公文書をはじめ参考書の多くは英語であるので、履修者は英文資料を十分に活用する読解力を必要とする。

 

構造改革と規制緩和                                                  教  授 中野  守

テーマは『経済構造の変化と規制緩和』である。現代社会の構造変化は出生率の低下、高齢化、女性の社会進出など成熟化に向かっており、それに伴い経済構造もグローバリゼーション、情報化の進展とともに公的規制の見直しと規制撤廃・緩和が求められている。競争的環境の下での官と民との関係を探求する。本講義は小さな政府論としての民営化の経済政策体系を社会・経済構造の変化の中に正しく位置づけることをねらいとする。

 

日本の経済政策                                                  兼任講師 春田 尚徳

経済政策の立案と実行について、官・学・民と30年間、特に昭和40年代は経済計画と国土計画、昭和50年代は石油危機と貿易摩擦、1990年代は土地問題と教育雇用等現実経済の最重要課題を戦略的に解決せんとする歴史的脈略の渦中で研究と実務を一体的に行ってきた実績を踏え、理論と実践の統合的論述に努めます。予見困難な変化に対する適応力は基礎にあり、常に人文自然両科学の根本に遡及しつつ、知的産業を担うに足る研究能力と実行能力を函養します。

 

地方財政論T・U                                                   教  授 関野 満夫

所得税の形成史の検討。

佐藤進『近代税制の成立過程』東大出版会、1965年
土生芳人『イギリス資本主義の発展と租税』東大出版会、1971年

 

公的金融論T                                                     兼任講師 内堀 節夫

公的金融は市場の失敗を救済する政府の保有する手段であり、一般の政府事業、税制、補助金、政府による諸規制等と同様に政策目的の遂行のために活用されている。ただし金融手法による政策ツールであるため近年官民競合の議論が提起されている。本論ではコスト・ベネフィット分析、グラント・エレメント分析等を通じ他の政策手段との計量比較、公的金融が銀行貸出市場にて果たしているビルト・イン・スタビライザー機能等について論じる。

 

公的金融論U                                                      兼任講師 内堀 節夫

公的金融は財政投融資計画の改革により資金調達が資金運用部貸付から財投債等の債券発行に転換されることが予定されている。本論では公的金融を巡るセキュリタイゼーションについて論ずる。主要なテーマは@財投債と財投機関債、政府保証債問題、A財政投融資計画のALM管理、B貸付債権のセキュリタイゼーションC郵便預金、簡易保険の証券による自主運用問題である。これらの問題は米国の公的金融システムであるFFB、GNMA等との比較で論じられる。

 

電子商取引論                                                     客員教授 高谷  哲

前世紀末におけるインターネット技術の出現は、低廉な通信コストの実現、検索エンジンソフトの開発・改良、等と相俟って、「電子商取引」という新分野を興し、商業・製造業・サービス業(公共事業を含む)等の広範な事業に亘り、画期的な契機をもたらし、今日現在もまだその変革を続けています。

ついては、その消費者的(例:B to C)、企業的(例:B to B)、公共的(例:G to C)切口、及び、国際的、技術的、実践的な切口を踏まえつつ、これからも新局面を重ねていくであろう「電子商取引」につき、下記のテーマを中心に取り上げます。

 1.電子商取引の要素……通信、技術、マーケティング等の変化、等

 2.電子商取引の社会的・経済的位置……産業連関の上の波及等

 3.電子商取引の実態

     総論的……B to C、B to B、G to C、CRM、SCM、等

     各論的……金融業、製造業、コンテンツ業等 

 4.電子商取引の課題と近未来……デジタルデバイド、セキュリティ、国際化、等

講義毎に、当日のテーマに関するレジメを用意します。

 

金融情報ネットワーク論                                               兼任講師 税所 哲郎

近年、ほとんどの金融取引はコンピュータ・ネットワークシステムを介して行われており、こうしたシステムは「金融情報ネットワーク」あるいは「金融情報システム」と呼ばれている。金融情報ネットワークには、銀行のATMやインターネット・バンキングなど身近なものから、金融機関相互間の決済などを行う全銀システム、有価証券の保管・受渡を行う証券保管振替システム、および日銀ネットワークや国際金融取引に使われるSWIFTネットワーク、貿易金融のBoleroまで、さまざまなものがある。

本授業では、システムおよびネットワークの開発手法を学ぶわけではなく、あくまでも金融とコンピュータとの接点である「金融情報ネットワーク」とは、どのような参加者のもとで、どのような考え方に基づいて構築され、どのような仕組で運行され、さらにどのような役割を果たしているかなどについて理解することを目的とする。

 なお、金融あるいはコンピュータに関する基礎的な知識のある方が望ましいが、なくても問題はない。


・中島真志、宿輪純一『証券決済システムのすべて』東洋経済新報社、2002年。
・中島真志、宿輪純一『決済システムのすべて』東洋経済新報社、2000年。
・佐藤節也『決済システムをデザインする』シグマベイスキャピタル、1998年。
・佐藤節也『決済システム入門』シグマベイスキャピタル、1998年。
・金融情報システムセンター編『金融情報システム白書 平成16年版』財経詳報社、2003年。

 

地域交通ネットワーク論                                              兼任講師 太田 和博

交通分野の規制緩和と地方分権の推進によって、21世紀の地域交通政策の意思決定システムは従来のものとは様変わりします。具体的には、国の縦割り行政に依拠する交通機関ごとの地域交通行政から、多機関の連携を重視するネットワーク型の地域交通政策へと移行することになります。本科目は、ネットワーク型の地域交通政策に関して、課題設定、問題分析、そして問題解決(政策提言)というプロセスの設計手法の習得を目的とします。

藤井彌太郎・中条潮(編著)『現代交通政策』東京大学出版会、1992年。
藤井彌太郎(監修)中条潮・太田和博(編著)『自由化時代の交通政策:現代交通政策U』東京大学出版会、2001年。
金本良嗣・山内弘隆(編著)『交通』NTT出版、1995年。

 

日本の総合開発政策                                                   兼任講師 春田 尚徳

全国総合開発計画等総合開発政策は、国家レベルの経済的意思決定である経済計画等経済政策と並び、5次半世紀に亘り20世紀の日本の発展に政治的意思決定とも言うべき重要な影響を与えてきました。官・学・民と30年間、上記政策の立案と実行に当り社会的意思決定論の視点から研究と実務を一体的に行ってきた実績を踏え、関連諸分野の総合的論述に努め、高度に複雑な先端的社会事象の解明と解決を担うに足る研究能力と実行能力の習得に資する。

 

土地利用政策論                                                    兼任講師 前川 俊一

本講義は、土地利用政策を経済学視点から検討することを目的とする。具体的には、まず土地利用の外部性から土地利用政策の必要性を明らかにし、土地利用規制が土地の収益とそのリスク(不確実性)に与える影響を検討した上で、最適な土地利用政策が如何なるものかについて議論し、また、土地税制の土地利用政策への活用の有効性について検討する。なお、土地利用政策の検討にあたっては、わが国の土地利用政策の問題点を明確にするために、イギリス等諸外国の制度との比較を行う。

プリントを配布する。

前川俊一『不動産経済学』プログレス 2003

 

地域産業政策論                                                     兼任講師 竹内 淳彦

産業活動は多様な風土の上に、それぞれの地域の経済、社会、文化条件を踏まえながら展開している。本講義では、第1に地域的存在としての地場産業、機械工業、さらに情報産業について具体的事例をもとに論じる。第2にそれを踏まえ、多様なスケールの地域的システムに基く産業政策のあり方について、大都市および地方について既存政策の検証も行いながら論じたい。

毎回指示、プリントを用意する。

 

地域農業政策論                                                     教  授 大須 眞治

農業基本法による農政が40年弱実施された後、WTO下で新しい農業基本法が実施されています。これまでの価格保障を中心とした政策が、農家への直接所得保障を中心とする政策へ移行することが、農業経営にどのような影響をあたえるか、農業基本法下の農業政策と対比して検討していきます。

 

都市工業政策論                                                    兼任講師 原田 誠司

都市空間における産業集積を把握し、都市発展の観点からの政策体系と政策立案の方法を学ぶ。都市化・地域特化の経済、産業集積の外部経済、リーディング産業、工業立地、産業クラスター、地域産業システム、欧米日の産業システム比較、知識ネットワークとベンチャー起業、地域経済政策と産業政策、政策主体とNPO、政策立案方法などがテーマ。練習問題により調査、分析、政策立案ノウハウの力を身につける演習方式で進める。

講義資料はその都度作成、配布する予定。

 

都市空間整備論                                                     兼任講師 神頭 広好

まず産業、公共財および住宅のそれぞれの立地論にもとづいて都市の空間構造を説明する。ついで都市の空間を整備する上で必要な都市計画、都市経済、交通および地理に関する計量分析モデルなどを都市・地域へ応用した実証分析例について講義する。その際、多変量解析手法、計量経済モデルおよび計量地理モデルなどにも触れる。

神頭広好『都市と地域の立地論−立地モデルの理論と応用−』古今書院、2001年

 

経済立地論                                                     教  授 石川 利治

経済活動の立地分析においては通常3つの視点、すなわち、最小費用型、相互依存関係型、利潤極大型立地論の視点がある。授業ではまず、各視点のアプローチを概観し、その特徴を明らかにする。次いで、最小費用型の視点から工業立地と集積の形成を考察する。続いて、相互依存関係と利潤極大型の分析方法と手法を融合し、市場地域と経済活動の立地の関係を重点的に分析し、価格、運賃率が経済活動に与える影響を考察する。

石川利治『空間経済学の基礎理論』中央大学出版部、2003年。

 

環境会計論                                                    教  授 河野 正男

企業の環境会計について研究します。研究対象は、環境省・環境会計ガイドラインおよび環境報告書における企業の環境会計実践、諸外国における外部報告向けの環境会計の実状です。加えて、企業内部で環境管理に役立てるために開発されている諸管理手法(環境品質原価計算、ライフサイクル・コスティング、トータルコスト・アセスメント、マテリアル・フローコスト会計等)についても研究します。

河野正男『環境会計−理論と実践−』中央経済社、2001年

 

公会計論                                                      兼任講師 小林 麻理

公会計論では、政府、非営利組織を含むさまざまなサービスを提供する組織体の会計を扱います。本講座では、まず、営利組織体の会計と非営利組織体の会計の相違を明らかにし、財務報告の目的、アカウンタビリティの意味、公会計における会計情報の意義を把握してから、政府〔中央政府、地方政府、地方自治体〕、非営利組織のマネジメントの在り方について、米国をはじめとする先進諸国の事例を研究し、わが国の組織に対する適用可能性と問題点を研究することをテーマとして検討を行います。

拙著『政府管理会計―政府マネジメントへの挑戦―』敬文堂、2002年1月
Governmental Accounting Standards Board, GASB SEA Research Case Study.
他の文献・参考書については、適宜指示する。

 

環境評価論                                                     兼任講師 吉田 謙太郎

環境価値の経済評価手法(コンジョイント分析、CVM、ヘドニック法、トラベルコスト法等)についての理論面及び実証面での課題に加えて、エクセルや統計ソフトウェアによる具体的な分析方法についても初歩的な内容から体系的に講義する。また、環境評価手法を実際に適用した内外の環境政策について詳細な事例解説を行うことにより、環境政策の立案と実施、政策評価に至るまでの一連のプロセスについて理解を深めることを目的としている。

特定の教科書は使用せず、授業中に資料を配付します。

 

環境管理論                                                     兼任講師 吉田 謙太郎

環境にやさしい持続可能な社会を実現するための中央政府と地方自治体における環境政策の実際と経済学的分析方法について講義する。トピックとしては地球環境問題から地方環境税、廃棄物処理やリサイクル、持続可能な観光等の問題など多岐にわたる。循環型社会の形成と政府の役割に関する問題については特に詳細に解説する。

特定の教科書は使用せず、授業中に資料を配付します。

 

社会保障論T                                                     教  授 工藤 恒夫

〈社会保障の理論研究〉

 具体的には、以下の課題について資本制各国に共通な一般理論の構築を試みます。

 1)生活問題への国家的対応策としての社会保障の必然性と本質。

 2)政策目的としての生存権保障の性格と内容。

 3)制度体系化の諸原則。

 4)社会保障財政のあり方に関する一般原則。

単一のテキストは使用せず、主として私の著書・諸論文を中心に講義することになります。

 

社会保障論U                                                     教  授 工藤 恒夫

〈日本社会保障についての実証研究〉

社会保障論Tで解明された理論を基準にしながら、社会保障制度の日本的特質の把握と政策課題の提示を行う。主要な項目は以下の通り。

 1)戦後における日本社会保障(政策・制度)展開の特殊性。

 2)1950年「勧告」と国民皆保険・皆年金体制の確立。

 3)1980年代以降における社会保障「改革」の意義。

 4)所得保障(公的年金・生活保護)・医療保障・社会福祉の現状と課題。

多数の参考文献や統計資料を用いて体系的な実証研究を行います。

 

社会福祉論                                                      兼任講師 瀧口 桂子

都市化、ライフサイクルの変容、家族形態の多様化、そして少子高齢社会へと社会および個人の生活基盤は急速に変化している。そこで現代社会における社会福祉について、以下の項目を中心に検討していく。

 1.社会福祉の理念および社会福祉をとらえる視点

 2.戦後60年の社会福祉の検証

 3.少子高齢社会の福祉問題

 4.少子化対策と児童家庭福祉

 5.要保護児童と社会的養護

真田是『新版 社会福祉の今日と明日』かもがわ出版、2003年。

履修生の関心に応じ、論文、報告書等を用いる。

 

ジェンダーと労働                                            教  授 佐藤  清

近代社会はどこの国でも男女の性別役割分業を土台にした家族を単位とする男性優位社会として出発した。女性の経済的自立を目的とした雇用平等のための環境整備は、雇用における男女平等実現に不可欠の前提である。こうした認識の出発点には各国における男女平等運動を支えたフェミニズム運動があった。

ジェンダーと労働の研究は各国における文化的社会的性差の背景を労働という現場から追究し国際比較を試みようとするものである。

内外の関連文献ならびに国際機関から出版されている報告書

 

電子社会の技術インフラ                                              兼任講師 税所 哲郎

電子社会では、情報のネットワーク化に伴い、さまざまな情報が社会全体の共有財産となりつつあり、一般家庭においても、いつでも、どこでも、何度でも情報を利用することが可能となった。

このような状況では、コンピュータなどで扱われるデジタル化された情報は、その加工や編集および複製などが自由に、かつ容易に行うことができ、安全性、認証性、秘匿性、完全性、不正複写防止など様々な情報セキュリティ問題が発生する。

そこで、電子社会に大きな影響を及ぼしている情報セキュリティについて、デジタルセキュリティに関する問題の背景、セキュリティ技術の限界、そしてその解決法などについて理解することを目的とする。

テキストは、技術者向けの専門書ではないので、社会科学を専攻する学生にとっても、電子社会の技術インフラである情報セキュリティについて十分理解できる文献である。情報システムに関する基礎的な知識のある方が望ましいが、なくても問題はない。


・山形浩生訳『暗号の秘密とウソ―ネットワーク社会のデジタルセキュリティ―』翔泳社、2001年。
 (Secrets & Lies Digital Security in a Networked World,John,Wiley & Sons,lnc.,2000)
・辻井重男『暗号―ポストモダンの情報セキュリティ―』講談社選書メチエ、1996年。
・辻井重男『暗号と情報』文芸春秋新書、1999年。
・辻井重男編『電子社会のパラダイム』サイエンス社、2002年。

 

電子政府論                                                      兼任講師 平本 一雄

PCを用いて海外および国内の電子政府関連Webサイトを閲覧して、最新の情報をもとに講義を進める。期間を通じ数回のレポート提出と発表を行う。

 1.電子政府・電子自治体とは?

 2.世界におけるわが国の水準、日米英の比較

 3.わが国の電子政府政策

 4.欧米における電子政府、電子自治体 

 5.地域ポータルサイトとしての電子自治体

 6.電子サービスの種類と内容

 7.電子デモクラシーの進展

 8.電子生活圏の形成

平本一雄『電子自治体進化論』ぎょうせい(2004年夏刊行予定)

 

IT産業論                                                       客員教授 高谷 哲

「IT産業」という表現は、「e-Japan」政策や国家予算編成等で頻繁に見受けられるようになりましたが、分類上の「産業」としては新しく、色々な意味でまだ成長期にある「産業」といえます。それだけに一抹の不確定さはありますが、他方で、「IT産業」を抜きにしては、国家戦略も事業戦略も考えられない時代になってしまったことも厳然たる事実となっています。

 当講座では、「IT産業」を、政策と具体的事業との両面から、下記のテーマを中心に取り上げます。

 1.日本と諸外国の「IT産業」政策

 2.電気通信事業

 3.放送事業

 4.通信機器事業

 5.その他情報事業……ソフト、コンテンツ等

 6.課題……知的財産権の扱い、国際問題等

『情報通信白書』(総務省編)
『情報通信ハンドブック』(情報通信総合研究所編)
その他文献等は、講義で御知らせします。

 

電子社会の法                                                     教授(法) 福原 紀彦

T 

コンピューターを中核とした情報技術(IT)の活用による高度な電子情報化社会の到来とともに、既存の法制度の見直しや新たな法制度の構築が急速に進められている。この講義では、さまざまな情報の電子化(デジタル化)とコンピュータ・ネットワークによる電子情報の授受によって、社会と法がどのように変革しつつあるかを考察する。はじめに、既存の法制度と法的思考方法のエッセンスを分かりやすく解説した上で、その後に、高度情報化社会における法の諸相を解説する。

U 

電子社会における法と法実務の変容を的確に認識して検討するには、発展の著しい実態の把握に努めつつ、諸外国・地域の先進的な取り組みや国際的動向に照らして、わが国における問題の所存を明らかにすることが有用である。当講座では、担当者の専門領域に即した講義を展開するとともに、各界から招くゲストスピーカーによる理論的・実践的な解説の時間を設ける予定である。

V 

下記のテーマのもとに講義を進めるが、最新の立法動向やゲストスピーカーの予定を勘案して、適宜、変更を加えたい。

1.高度情報化社会における法的思考

社会・制度・法、高度情報化社会における技術・実務・法などをテーマにして、「法」とはなにか、法的ものの考え方とはどのようなものかを紹介し、科学技術と法的思考の関係を考察する。

2.高度情報化社会における政策と法

ミレニアム・プロジェクト(電子政府実現)の内容と進捗状況、IT基本戦略、IT基本法を中心に、電子署名・認証業務法、書面電子化一括法、その他のIT関連新法に言及しつつ、わが国における高度情報化社会対応の政策と法制度整備の現状について解説する。適宜、国際的動向も紹介する。

3.情報の電子化と電子情報をめぐる法律問題

表現の自由、個人情報とプライバシーの保護などの公法上の諸問題、名誉毀損、わいせつ罪などの刑事法上の諸問題、著作権法・商標法・不正行為防止法関連やビジネスモデル特許などの知的財産法上の諸問題を紹介し、法的規制の概要を解説する。併せて、情報仲介者、プロバイダーの法的責任についても言及する。

4.電子商取引(Electronic Commerce)の法律問題

電子商取引と電子決済(CALS,EC,EDI・電子マネーなど)がもたらす社会的・経済的影響に注目しながら、それらの仕組みと法律上の問題点を解説する。インターネット通販やネットオークションにおける消費者保護の法律問題、電子契約法、その他、高度情報化社会の国際的法律問題に言及する。

W テキスト・参考資料・資料

当初の主要参考文献として、下記の2点を紹介しておく。

@辻井重男『電子社会のパラダイム』サイエンス社(2002年)

A中里実・石黒一憲『電子社会と法システム』サイエンス社(2002年)

その他、講義の進展に応じて適宜紹介する予定である。

 

産業環境管理論                                                   兼任講師 米村 洋一

環境問題は一般的に利害を異にする関係者が多く、その問題解決のための仕組みが確立していないために、関係者のコミュニケーションや、問題可決の手順なども確立していないことが多いと考えられます。

このような領域で、問題を解決したり、対応する仕組みを作る事についての研究は、わが国ではそれほど多くはありません。

この講義では、企業や公共セクター、民間団体が環境問題に対して取り組んだ事例を具体的に紹介しながら、環境ソリューションの課程と手法について検証していきます。

ケーススタディの例としては廃棄物問題、海岸・海面利用と環境問題、その他を取り上げます。

テキストはレジメ、参考資料を随時用意します。

 

国際環境政策論                                               兼任講師 B.チェンバース

This course explores current issues relating to environmental and sustainable development governance from a policy and theoretical perspective. The course invites active participation and dialogue about the topics presented including climate change, biodiversity, trade and environment, science and policymaking, and institutional reform. Previous knowledge of environmental issues is not necessary.

It is anticipated that students taking this course will gain an advanced, and analytical, knowledge on the forces and processes that shape international and national environmental governance and a firm understanding of current institutional structures developed from the 1972 Stockholm Conference on Environment and Development to the 2002 Johannesburg Summit.

 

都市と環境                                                   教授(総)    平野 廣和

我国の都市の環境は様々な社会情勢の変化に直面しています。都市への人口集中の鈍化、国際化、高度情報化、あるいは経済・産業の空洞化の進展、高齢化・少子化の急速な進行、国民ニーズの更なる多様化・高度化などの動向に鑑み、これまでの都市の成長・拡大への対応を中心とした環境整備から新たな状況にふさわしい都市・環境整備への転換が求められています。さらに、高齢化等に伴う将来の投資余力の減少も予想されており、新たな都市・環境整備を緊急に進める必要は極めて高いものがあります。

一方、各種の災害に対処するのも都市の環境を維持していくためにも必要である。自然災害はもちろんのこと、都市機能の高度化に伴う要因の複雑な新しい災害にも対処しなくてはなりません。災害に備えて被害を最小限にくい止めるためにもハード面の防災施設・防災システム整備とともに、ソフト面からの防災に関する政策提言の重要性も強調されるところです。特に、現在の最先端技術を結集して観測に当たっている防災予測や数値予測シュミレーションの結果を、すみやかに末端の人々に伝えるシステムと即座に対応できる行政の態勢作りが急がれています。

よって本講義の前半は、新たに生じた都市・環境整備問題、都市防災を基にして、調査・ディスカッションを中心として進めることにし、後半は、危機管理を含めて、都市での各種の事例を基にしたシュミレーションの実施を行います。

講義の進行に従い、参考文献や資料を順次指示します。